日本語の動詞とは?種類や活用、分類、具体例を解説

当記事では日本語文法における「動詞」について解説します。

動詞という言葉の意味や種類、用法などについてわかりやすくご紹介しますので、ぜひこの機会におさらいしていって下さい。

また日本語文法の全体像は下記の記事で解説していますから、動詞だけでなく全体的におさらいしたい方は、併せて参考にしてください。

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\ この記事を書いた人 /

たくろー
Webディレクター
ライティングから編集、校正、ディレクション、SEO対策、アクセス解析、撮影、画像編集、Web制作と、なんでもやってるwebディレクターです。
現在はIT企業でインハウスSEO担当兼、メディア運営責任者・編集者として働きながら、札幌でWebライティングの講師として活動。「良いWebライターが増えれば仕事が楽になるなぁ」と思いながら、一人でひっそりと文亭を運営中。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

動詞とは

動詞とは、ものごとが自発的に行動する様や、受動的に作用を受ける様などをあらわす言葉のこと。前後の文脈や用法により、さまざまな活用をともなって使われる品詞です。

「書く」「書かれた」「書ける」「書こう」など。

ものごとを伝えるために、大切な役割を果たす言葉です。

動詞の活用形の種類

動詞には6つの活用形があり、伝えたいことや文脈により、正しい活用をさせながら文章に組み込むことになります。

下記表に活用形の使い方や例をまとめましたので、おさらいしてみて下さい。

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活用形使い方
未然形「〜ない」「〜う」「書かない」「書こう」
連用形「〜ます」「〜た」「書きます」「書いた」
終止形言い切り「書く」
連体形「〜とき」「書くとき」
仮定形「〜ば」「書けば」
命令形命令「書け」

動詞の活用一覧表

また一つひとつの動詞は、活用の仕方によって分類されます。

「五段活用」「上一段活用」「下一段活用」「カ行変格活用」「サ行変格活用」の活用と、該当する動詞の例を一覧表にまとめました。

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活用の種類五段活用上一段活用(イ行)下一段活用(エ業)カ行変格活用サ行変格活用
未然形あ、おさ、せ、し
連用形
終止形きるけるくるする
連体形きるけるくるする
仮定形きれけれくれすれ
命令形きろ、きよけろ、けよこいせよ、しろ
言葉例「書く」「読む」等「見る」「着る」等「出る」「寝る」等「来る」のみ「する」のみ

その動詞ごとに活用の種類が決まっており「”書く”は五段活用の動詞だ」「”出る”は上一段活用をする動詞だ」といったように表現します。

動詞の用法と具体例

次に、動詞を文中で使うための用法を整理しました。

動詞は文の成分の中で「主語」「述語」「修飾語」「接続語」として利用できます。それぞれの具体的な用法を見ていきましょう。

主語として使う

動詞のあとに助詞(「のは」「のが」「のも」など)を付けることで、主語として扱えます。

良い文章を書くのは大変だ。
りんごを食べるのが好きだ。

普段話すときにも、よく使われる用法ですね。

述語として使う

動詞のすべての活用形は、述語として使えます。

文章を書こう。
僕は文章を書いた。
今すぐに手紙を書け。

このように述語として自由に使えるのは、動詞の特徴の一つです。

修飾語として使う

「どのように」「何をしに」といった動作や状況をあらわすとき、動詞を修飾語として扱えます。

手紙を届けにきた。
文章を書く仕事に就いた。

状況を詳しく説明するには、このように動詞をうまく使うことが大切です。

接続語として使う

動詞に「〜れば」「〜と」「〜て」などの接続助詞をつけると、接続語としても扱えます。

手紙を書いて、両親に送ろう。
手紙を書くと、少し懐かしい気持ちになれる。
手紙を送れば、きっと喜ぶだろう。

毎回あえて文を分けなくても済む、便利な使い方です。

動詞の様々な種類と分類

動詞には様々な種類と分類があります。

あくまで学問的な分類になりますので、実際に文章を書く上でさほど意識する必要はありませんが、こんなものがあるとだけ知っておいて下さい。

自動詞と他動詞の分類と具体例

自然(自発的に)に行なわれる動作は「自動詞」として。他のものが作用して行われる動作は「他動詞」として分類します。

これは同じ言葉を自動詞として使うか、他動詞として使うか、という「活用」の話になります。

  • 自動詞:窓が「開く」
  • 他動詞:窓を「開ける」

基本的には、何かの意思が関わると「他動詞」として活用し、そこに意思が介入しなければ「自動詞」として活用するようなイメージで覚えておくと良いでしょう。

意思動詞と無意識動詞の分類と具体例

何かの意思をもって行なわれる動作は「意思動詞」として。自然と行われる動作は「無意識動詞」として分類します。

自動詞と他動詞の関係と似ていますが、こちらは活用の話ではありません。

その動詞の終止形の動作に意思があるのか、ないのか、という違いで判定されます。

  • 意思動詞:「書く」「走る」「辞める」「飛ぶ」など
  • 無意識動詞:「ある」「できる」「輝く」「読める」など

その動詞が本来持つ特性を考え、あえて行うものなのか、自然に行なわれるものなのか、という違いで判断しましょう。

動態動詞と状態動詞の分類と具体例

これから行う動きは「動態動詞」として。現在の状態は「状態動詞」として分類します。

これも活用の話ではなく、その動詞そのものの特性に関する話題です。

  • 動態動詞:今から「走る」
  • 状態動詞:ここに「いる」

未来のことなら「動態動詞」、今のことは「状態動詞」というイメージで覚えると良いでしょう。

能動詞と所動詞の分類と具体例

受け身の活用ができる動作を能動詞」として。受け身の活用ができない動作を所動詞」として分類します。

これは同じ言葉をどう使えるかという「活用」の話題になります。

  • 能動詞:「飲む(飲まれる)」「作る(作られる)」「整備する(整備される)」
  • 所動詞:「走る(「走られる」とはならない)」「できる(「できられる」とはならない)」

その動作に他人が介入する余地があるかどうか、というイメージで判断するとわかりやすいかもしれません。

単純動詞と複合動詞の分類と具体例

単体の言葉で成り立っている動作を「単純動詞」として。複数の言葉で成り立っている動作を「複合動詞」として分類します。

これは活用がどうという話ではなく、その言葉の特性によるものです。

  • 単純動詞:「食べる」「行く」「帰る」など
  • 複合動詞:「繰り返す」「抱き合う」「打ち切る」など

二語以上で構成されていれば複合動詞ですので、比較的見分けやすいでしょう。

まとめ

動詞は様々なシーンで使える品詞です。

普通に文章を書くうえで何を間違えるということもないとは思いますが、人に文章の書き方を教えるときや、文章を正しく書かなければならないシーンなどでは、あらためておさらいしておいて下さい。

また動詞は、本動詞補助動詞という分類をすることもあります。

  • 本動詞:その言葉単体で使われている動詞のこと
  • 補助動詞:本動詞をサポートするために使われる動詞のこと

下記の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみて下さい。

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