Webライターとして活動していく中で、気になるのが資格や検定の存在です。
ライターの専門資格や、その他文章に関するさまざまな資格がありますが、それが果たして仕事に役立つのか気になりますよね。
今回はライターの仕事と資格との関係性について、わかりやすくまとめました。
Webライターに資格は必要?
Webライターとして活動していくにあたって、資格は必須ではありません。
Webライターの仕事においては、資格はあくまで自分の専門性を客観的に示す材料の一つだと考えて下さい。
例えば「トレーニングに関する原稿執筆」の依頼に応募するときに、トレーナー資格を持っていれば有利です。しかしトレーナー資格を持っていなくても、例えば芸人の「なかやまきんに君」さんや、YouTubeで人気の「宅トレまりな」さんなどが応募すれば引っ張りだこです。
多くの一般ライターにとっては、自身の専門性をクライアントへアピールする上で有利に使えるものですが、資格以外に自分の専門性を示す手段があれば必須ではありません。
Webライティング検定の必要性
世の中には、Webライターとしての能力自体を示す検定もありますが、それらもとくに必須ではありません。
検定の名称に「Webライター」や「Webライティング」と名のつくもので有名なものは、下記の3種類です。
資格名 | 運営元 | 概要 |
---|---|---|
Webライティング能力検定 | 一般社団法人日本WEBライティング協会 | 2012年より運営していて歴史が長い |
Webライティング技能検定 | 一般社団法人日本クラウドソーシング検定協会 | クラウドソーシングサービスで多少の優遇が受けられる場合がある。 |
Webライター検定 | 株式会社クラウドワークス 株式会社グリーゼ監修 | クラウドワークスのプロフィールに合格証が表示される |
これらの検定に関する内容を学習すること自体は、初心者ライターの良い練習になると思いますが、資格を持っていても大幅に仕事が増えるわけではありません。
クライアントから見れば、そもそも基礎的なライティングスキルを持っていることを前提に依頼しますから、基礎資格を所持していることがプラスの価値にはなりません。
地力を上げる訓練のためにトライしてみて下さい。
Webライターに役立つ資格の条件
ではWebライターとして働いていくうえで役立つ資格とは、どのようなものでしょうか。
その条件を整理しました。
客観的に専門性を示せる資格である
まずはその資格があることで、客観的に「専門性」を示せることが重要です。
例えば「弁護士」「社会保険労務士」などは専門性を示せる資格ですが、「パソコン技能検定」「Webデザイナー検定」などは、初学者の学習向けに用意された資格であり、持っていても専門性は示せません。
専門的な資格であるほど、Webライターの仕事を獲得する際に有利になります。
希少性のある資格である
検定内容のレベル感と、それに比例した希少性も重要です。
例えば漢字検定の3級を持っていてもあまり希少性はありませんが、漢字検定の1級は年間に200名程度(※)しか受からない高難易度の資格ですから、持っている方は希少であり、学習関連のメディアから重宝される可能性が高まります。
専門的であり、希少であるほど、その資格がWebライターの仕事へと有利に働きます。
資格を所持していることが証明できる
その資格を所持していることを簡単に偽れてしまうと、意味がありません。公式サイトで資格保持者が公開されていたり、資格証明書が発行されたりする資格であることも大切です。
例えば現在登録されている弁護士は、日本弁護士連合会のサイトですべて公表されており、名前を偽れません。プロフィールから自身の名前が掲載されているURLへリンクするなどすれば、資格保持者であることを簡単に証明できます。
あるいは資格証明書が発行されるなら、自分が手に持って写真を撮ったものをアップロードすればある程度の照明になります(加工できてしまいますが)
どこにも名前の公開されない資格は客観的な証明が難しいため、Webライターとして専門性を示すために役立てるのは難しいでしょう。
Webライターに役立つ資格検定おすすめ10選
それでは、Webライターとして案件を受注していくうえで役立つ資格をご紹介していきます。
士業の国家資格
専門ライターとして活動する際に「士業」の国家資格があると、専門メディアの案件で有利になります。とくに重宝されるのが、下記のような資格です。
- 弁護士|法律に関する記事執筆や監修で求められる
- 税理士|節税や投資に関する記事執筆や監修で求められる
- 社会保険労務士|労務や働き方に関する記事執筆や監修で求められる
- 医師|医学に関する記事執筆や監修で求められる
- 薬剤師|薬学に関する記事執筆や監修で求められる
とくに法律に関するアドバイス業務などは弁護士にしかできませんし、医学や薬学についても素人が語って良いものではありません。
士業資格を持った専門家は、正しい情報を伝えたいと考える専門メディアから重宝されます。
学士・修士・博士
大学や大学院の卒業資格、いわゆる「学歴」も、ライターとして仕事をとる上で有利になる可能性があります。
もちろん名の通ったレベルの高い学歴であるほど有利ですし、学部や学科、研究内容がメディアのテーマと合っているほど重宝されます。
とくに塾や通信学習など学習関連のコンテンツでは、高い学歴を持ったライターが求められる傾向にあります。
公認心理師資格
公認心理師資格は、2017年に誕生した心理カウンセラーの国家資格です。
Webコンテンツは読者の課題解決を目的としたものが多いため、仕事や暮らし、恋愛など様々なジャンルのメディアにおいて、カウンセラー資格保持者が優遇される可能性があります。
そのほか占いコンテンツなどでも需要があり、ライティングと相性の良い資格だといえるでしょう。
キャリアコンサルタント国家資格
キャリアコンサルタントは、職業選択に関する専門家だけが取得できる国家資格です。
この資格を持っていない方は「キャリアコンサルタント」を名乗れませんから、転職や働き方に関するメディアで重宝されます。
転職メディアは比較的単価の高い案件も多いため、キャリアコンサルタント資格を持っているなら、ぜひ専門ライターとして活動してみて下さい。
トレーナー資格
スポーツやトレーニングに関する指導ができる資格も、専門ライターとして活動するのに有利になります。
とくにNSCAなどの国際的にも人気のある資格は、持っていればトレーニング・フィットネスメディアから引っ張りだこです。ライターとして記事を執筆するのはもちろん、監修する案件も多くあります。
トレーナーには文章を書くのが苦手な方も多いため、資格をもちながらWebライターとしてのスキルを持ち合わせていれば、各種メディアからとても重宝されるでしょう。
教員資格
教員の資格を持っている場合も、学生向けの情報を発信するメディアなどで重宝されます。
公務員として働く教員は副業ができませんから、私学の現役教員はもちろん、すでに教師を辞めて別の仕事をしている方でも、資格を持っていればニーズがあります。
調理師資格
料理のレシピを公開するグルメサイトでは、調理師の資格を持ったライターも重宝されます。
料理人としてのキャリアがあればなおさらで、ご本人の名前を前面に出して連載を持たせてくれることも。ライターとして活動する調理師はそこまで多くありませんから、活躍するのに穴場の資格です。
TOEIC
資格とは少しニュアンスが違うかもしれませんが、TOEICで高得点を保持している方も、英会話や留学に関するメディアから引っ張りだこです。
英語学習に関するコンテンツは素人では書けませんし、プロフィールにTOEICの高得点が書いてあるだけで信頼性が大きく変わります。目安として700点以上の得点を取っていれば、専門ライターとして採用される可能性が上がります。
英語が得意な方はTOEICを受験して、英習学習の専門ライターを目指すのはいかがでしょうか。
旅行業務取扱管理者資格
旅行に関する情報メディアで重宝されるのが、旅行業務取扱管理者資格です。
もちろん素人でも記事は書けますが、旅行商品を販売するために必要な国家資格である「旅行業務取扱管理者資格」を所持していることは、他のライターより一歩抜き出る材料になります。
旅行会社で勤めていてこんな資格を持っている方は、専門ライターとしても活動してみてはいかがでしょうか。
文章読解・作成能力検定(文章検)
最後に、検定に向けて勉強することに意義があるという意味で「文章読解・作成能力検定(文章検)」もご紹介しておきます。
漢字能力検定と同じ運営元が認定する検定資格で、日本語文章の読解力や文章力に関する内容に終始しています。
文章を読んで要約して解説したり、適切な見出しを設定したりと、Webライティングに必要な技術が求められますから、文章力を上げたい方は勉強してみてはいかがでしょうか。
Webライターには資格よりも実績や能力が必要
Webライターにとって、資格はあくまで自分の専門性を証明するためのものです。
仕事を取るために大切ですが、ライティング能力や仕事の丁寧さがなければ、その後の継続依頼には繋がりません。
資格は一つの武器として考えて、Webライターとしての能力や実績を伸ばしていきましょう。