ライターさんへ記事制作を依頼して、Googleドキュメントによる納品を依頼すると、半数くらいの方が「惜しい」状態で提出されます。例えば見出しの書式が設定されていなかったり、余計なテキスト・装飾が入っていて修正する必要があったりといった具合です。
一方でそのままWordPressにコピペすれば綺麗に表示される状態で納品してくれるライターさんと出会うと「この人わかってるな」と嬉しくなります。
今回はメディア担当者から喜ばれる「Googleドキュメントを使った記事の書き方」について、ライター向けに解説していきます。
Googleドキュメントによる記事制作で求められること
まずは「Googleドキュメントで記事を書いて納品してください」とオーダーするクライアントが期待していることをお伝えします。
そもそも「良い記事を書く」というのは大前提の話になりますので、あくまでGoogleドキュメントで書く記事に求められることの解説です。
入稿のしやすさ
Googleドキュメントによる記事制作では、提出先の編集者が入稿しやすい体裁で提出することが求められます。
世の中にはWordPressで運営しているメディアが多いため、基本的にはWordPressとの互換性を考えることが大切です。例えばGoogleドキュメント独自の書式・装飾をつかったり、余計なテキストを入れたりすると、WordPressのエディタへそのままコピペした際に表示が崩れて修正に手間がかかります。
(どの装飾が余計で、どれが余計ではないのか知っておくことが大切ですから、こういった観点でもライターにはWordpressの知識が必要だと感じます。)
クライアントがWordPressに入稿する際の手間を考えて、できるだけ相手の仕事を減らせるように記事を書く意識をしてみてください。
管理のしやすさ
メディア側には、複数のライターからたくさんの記事が集まります。誰が書いたどの記事なのかパッとみてわかるタイトル(ファイル名)になっていると、管理がしやすくて喜ばれます。
例えば「(会社名)御中-対策KW◯◯-ライター名」といった順序でファイル名をつけてしまうと、会社側からしたら「最初の何文字かしか表示されないから、結局誰の原稿なのかわからない状態」になります。
一見丁寧なように見えても、相手の仕事を考えられていない手間は喜ばれませんから、相手の仕事を減らせるような気遣いを心がけてみて下さい。
Googleドキュメントで記事を書く方法
Googleドキュメントで記事を書く方法として、ライターが押さえておきたいポイントを解説していきます。
文章自体の話というよりも、あくまで「Googleドキュメントを使って記事を書く方法」についてのTIPSです。
見出しを書式で設定する
記事の見出しには、例えば<h2>などとテキストの前に書くのではなく、書式設定をしておきましょう。
見出しを設定するには、該当テキストにカーソルを当てて下記の項目を変更してください。
「見出しだからわかりやすくしよう」と思って[h2][h3]などとメモしたり、太字や背景色などをつけてしまったり、その見出し内のテキスト文字数をメモしてしまったりすると、WordPressにコピペしたあとに修正作業が多く発生します。
結果的にクライアントの仕事を増やしてしまいますから、余計な装飾はせず、書式設定だけしておくことをおすすめします。
箇条書きではリスト機能を使う
Googleドキュメントで箇条書きにする際は、手書きでナカテン「・」を打ったり「①」と書いたりするのではなく、箇条書きや番号付きリストを使いましょう。
- とくに「①」などは機種依存文字ですから、Webライティングではそもそも使わない方が親切です。
書式で設定していれば、WordPressのエディタにコピペした際にもリストタグが反映されますから、クライアントが手作業で修正する工数が減って親切です。
例えば「h2下にh3の項目をリストで並べる」といった手法はよく使われると思いますので、かならず手書きではなく書式設定で表現してください。
記事内容と関係ないテキストはコメントに書く
Googleドキュメントで記事を書く際、相談ごとなどを本文テキストに書いてしまうと、入稿時に修正する手間が発生します。
しかしコメント機能をつかっていれば、そのままWordPressにコピペした際になにも影響しませんから、基本的にはコメントでメモするようにしましょう。
コメントを残すには、該当テキストにカーソルを合わせると右の方に出てくるツールバーの「+」ボタンを押します。下記のとおりです。
URLを共有して提出するときには、閲覧権限ではなく「編集権限」まで付与しないと、相手にコメントが見えません。その点だけ注意してください。
テキストリンクを設定する
例えば公式サイトのURLや出典リンクなどを記載する際に、きちんとテキストリンクを設定しておくと親切です。
例えば「出典:文亭(https://www.fumitei.jp/)」と書くのではなく「出典:文亭」にしておくと、これもWordPressにペーストした際テキストリンクとして反映されます。
Googleドキュメントでリンク設定をするには、該当テキスト部分を選択してリンクアイコンをクリックします。
- Googleドキュメントではnofollowなどのrel属性までは設定できませんので、そこは先方に任せましょう。
テーブル(表)に余計な装飾をしない
比較表などを掲載する際には、例えば一番左のセルに色をつけたり、ヘッダー行を太字にしたりするなどの装飾は不要です。
装飾をせずとも、テーブルをそのままコピペすればメディアごとに設定されたCSSが反映されます。しかしGoogleドキュメント上で太字設定などを入れてしてしまうと、入稿時にその書式をわざわざ削除する必要が出てきます。
テーブルには太字や色変更、背景色変更などはなにも設定せず、ただただシンプルな状態で提出することをおすすめします。
Googleドキュメントで書いた記事の納品方法
Googleドキュメントで書いた記事を納品する方法は、主に2種類です。
- URLを共有して納品する
- docxファイルで納品する
おそらく指定があると思いますが、とくに何も言われなければ「URL共有」で納品した方がお互いに手軽です。どちらでも対応できるようにしておきましょう。
URLを共有して納品する
Googleドキュメントのファイルは、クラウド上でURLを共有できます。その機能をつかって納品すると、先方はURLを踏むだけで記事を確認できますので、工数削減につながります。
右上の「共有」を押すと、共有する対象を設定するウインドウが出ます。
「一般的なアクセス」の項目で「制限付き」と「リンクを知っている全員」を選べるのですが、下記どちらかの共有方法になります。
- 「制限付き」のまま、相手のメールアドレスを招待してリンクを発行する
- 「リンクを知っている全員」にしてリンクを発行する
「リンクを知っている全員」で共有することも多いのですが、お互いの連絡先がわかっている状態ならば、制限付きで発行した方がセキュリティは強固になります。
docxファイルで納品する
ファイルで納品する場合は、一般的に「.docx」形式で保存して送信します。
「ファイル→ダウンロード→Microsoft Word(.docx)」と進めば簡単にダウンロードできますので、この方法でファイルを保存して送信しましょう。
まとめ
Googleドキュメントによる入稿をオーダーされたときでも、その先にある「入稿するときの手間」を考えて納品すると、クライアントから喜ばれます。
こういった細かいところも、継続するか否かのジャッジにおおいに関わってくる場合があります。
先方の仕事を減らせるような立ち回りを意識しながら、良い記事を書いていきましょう。