「上記・以上」「下記・以下」の違いと適切な用法、使い分け方

この記事では、「上記・以上」「下記・以下」それぞれの違いについて解説します。

Web記事の文中、あるいは契約書などでもよく用いられる表現ですが、それぞれどの範囲を示す言葉かご存知でしょうか。

意味や用法を知った上で、適切に使えるようになっておきましょう。

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\ この記事を書いた人 /

たくろー
Webディレクター
ライティングから編集、校正、ディレクション、SEO対策、アクセス解析、撮影、画像編集、Web制作と、なんでもやってるwebディレクターです。
現在はIT企業でインハウスSEO担当兼、メディア運営責任者・編集者として働きながら、札幌でWebライティングの講師として活動。「良いWebライターが増えれば仕事が楽になるなぁ」と思いながら、一人でひっそりと文亭を運営中。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

「上記・以上」「下記・以下」の意味と違い

まずは「上記・以上」「下記・以下」それぞれの言葉の意味と違いを知っておきましょう。

「上記・以上」の意味と違い

上記と以上の意味は、下記の通りです。

  • 上記:直前に記した内容を指す
  • 以上:これまでに伝えた全体的な内容を指す

示したい事柄が直前のものなのか、全体的なものなのか、といった違いで使い分けましょう。

「下記・以下」の意味と違い

下記と以下は、それぞれ下記の意味を持ちます。

  • 下記:直下に記す内容を指す
  • 以下:これより下で伝える全体的な内容を指す

示したい事柄がすぐ後に記す内容なのか、それとも後に伝える全体的な内容なのか、といった違いで使い分けましょう。

上記・以上・下記・以下の用法

次に「上記・以上・下記・以下」の具体的な用法を解説していきます。

「上記」の用法

上記の用法

上の画像で「上記の通り〜」が示す内容は、基本的には「B」の項目のものです。

直前の要素を取り上げて解説するときに「上記」を使うと良いでしょう。

「上記」の用例
  • 知っておくべき内容は、上記の通りです。
  • 上記の材料が必要です。

「以上」の用法

以上の用法

上の画像で「以上のように〜」が指す内容は、A・B・Cの要素すべてです。

これまでに解説してきた内容をひっくるめて指すときに使うと良いでしょう。

「以上」の用例
  • 以上、言葉の使い方について解説いたしました。
  • 以上のように、A案の方が成功率が高いのは明らかです。

「下記」の用法

下記の用法

上の画像で「下記の通り〜」が示すのは、基本的に「B」の項目の要素です。

場合により「C」あたりまで含むこともありますが、基本的にはすぐ下の要素を示す表現として用いると良いでしょう。

「下記」の用例
  • 知っておくべき内容は、下記の通りです。
  • 下記の材料が必要です。

「以下」の用例

以下の用法

上の画像で「以下」が示す内容は「A・B・C」のすべての要素です。

場合により、見出しをまたいだ「D」まで含める場合もありますが、この辺りは文のニュアンスにもより表現すると良いでしょう。

「以上」の用例
  • 以下、言葉の使い方について解説いたします。
  • A案の成功率の高さは、以下のデータが示しています。

「上記・以上」「下記・以下」の言い換え表現

最後に、その他の表現方法もお伝えしておきます。

前述・上述・先述

「先ほど述べたように」と伝える際には「前述(ぜんじゅつ)・上述(じょうじゅつ)・先述(せんじゅつ)」という言葉を使います。

用例
  • 前述したように
  • 上述の通り
  • 先述した内容では

これらの言葉は、文脈により「上記」「以上」どちらの用途としても使えるニュアンスを持ち、場合によりどこを示しているのか伝わりづらくなる可能性もあります。

使用する際は「※◯ページ」「※見出し冒頭」など、注釈を入れるのも良いかもしれません。

後述

「後で述べます」と表現する際は「後述(こうじゅつ)」を使います。

用例
  • 詳細は後述いたします

「後述」よりも後であればどこでも示せるため、示す範囲が広くなりすぎる場合があります。

ページ数の多い書籍や、よりわかりやすさを重視したいWebコンテンツなどでは、注釈をつけながら運用すると良いかもしれません。

まとめ

「上記・以上」など他の箇所を指し示す言葉は、どこを指しているのか明確にしておくことが大切です。

筆者と読者で認識が違えば、誤解を生む可能性もありますので、適切に使えるようにしておきましょう。

特にWebコンテンツの執筆では、すぐ前後を指し示す「上記・下記」が使いやすくておすすめです。わかりやすさファーストで執筆していって下さい。

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