今回は「送る」と「贈る」の違いについて解説します。
基本的に「送る」はただ渡したり届けたりするニュアンスを。「贈る」は想いを込めて渡すニュアンスを表現する漢字です。適切なシーンで使えるようにしておきましょう。
なお、こういった言葉を「同音異義語」と言います。間違いやすい同音異義語は下記の記事にまとめてありますから、併せて参考にしてみて下さい。
「送る」と「贈る」の違いと使い分け方
送ると贈るには、下記の違いがあります。
- 送る:モノやコトそのものを渡す、届ける
- 贈る:あらたまって用意したモノやコトと併せて、感謝や祝福を届ける
例えば「拍手や声援をおくる」場合などは判断が難しいのですが、拍手も声援も「あらたまって用意したものではない」ため、基本的には「送る」を選びます。
一方で「感謝状」や「卒業の言葉」あるいは「父の日のギフト」などは、あらたまって用意したものであり、感謝や祝福を届けるものなので「贈る」を選びます。
英語で言えば、送るはsend、贈るはawardがもっともニュアンスの近い言葉に思います。使い分けに悩んだときは「あらたまって用意したものか」「感謝や祝福の気持ちが乗っているか」を考えると良いでしょう。
「送る」の意味と用法
「送る」は、下記の意味や用法を持つ言葉です。
- 物や情報などを、相手に届くようにする
- 人に目的を持たせて差し向ける、派遣する
- 管轄を移す
- 行く人や去る人に付き添い、ある場所まで一緒に行く
- 別れを告げる
- 時を過ごす
- 順々に先に移動させる
さまざまな意味で使われますが、今回「贈る」と使い分ける焦点になった使い方は(1)です。
「贈る」の意味と用例
贈るは、下記の意味や用法を持つ言葉です。
- 感謝や祝福などの気持ちを込めて、人に金品などを与える
- 官位や称号などを与える
「送る」と比べるとシンプルな用法になります。基本的にはプレゼントやギフトを渡す際など、あらたまったシチュエーションでの使用を検討してください。
まとめ
「送る」と「贈る」は、実に情緒豊かな使い分け方をする言葉です。
- 送る:モノやコトそのものを渡す、届ける
- 贈る:あらたまって用意したモノやコトと併せて、感謝や祝福を届ける
ぜひご自身の表現したいニュアンスを伝えられるよう、言葉を選んでみてください。