この記事では「保証」と「保障」と「補償」の違いについて解説します。
簡単にまとめると「保証」は責任をもつこと。「保障」は権利を守ること。「補償」は損害を埋め合わせすること、と使い分けましょう。
なお、こういった言葉を「同音異義語」と言います。間違いやすい同音異義語は下記の記事にまとめてありますから、併せて参考にしてみて下さい。
「保証」と「保障」と「補償」の違いと使い分け方
「保証」と「保障」と「補償」には、下記の違いがあります。
- 保証:そのモノゴトに責任を持つこと
- 保障:なんらかの権利を守ること
- 補償:損害の埋め合わせをすること
「責任」「権利」「損害」がキーワードになりますから、ここを押さえて使い分けましょう。
たとえば家電を買ったときに「5年保証に入りませんか?」と案内されることがあります。Apple製品を購入するときなどは、よく勧められますよね。
これはネーミングに「保証」とある通り「5年間は使えるように責任を持ちますよ」とするサービスです。
加入すると「保証書(責任を持ってもらえる証拠)」を受け取るわけですが、それによって「保障(権利)」がつくわけです。その保証書がある限りは、5年の間は「修理してもらえる権利」が「保障」されるわけですね。
そしてもし5年のうちにトラブルがあった場合は、交換や修理などの「補償」が受けられる、ということです。
「保証」の意味と用法
「保証」の意味は、下記の通りです。
- 間違いがない、大丈夫であると認め、責任をもつこと
(出典・参考:デジタル大辞泉)
具体的な用法は下記の通り。
- 彼の人柄の良さは、幼なじみの私が保証します
- 時計の調子が悪く修理に出したが、保証期間内だったので無料で済んだ
- 息子の入社書類の身元保証人になる
「約束する」「太鼓判を押す」などのニュアンスで使うことが多い言葉です。
「保障」の意味と用法
「保障」の意味は、下記の通りです。
- ある状態がそこなわれることのないように、保護し守ること
(出典・参考:デジタル大辞泉)
具体的な用法は下記の通り。
- 国民の生活レベルを向上させるには、社会保障制度の充実が欠かせない
- 加入している生命保険の保障内容を見直す
- 国家の安全を保障する
あらかじめ権利を保護しておく、という意味合いの言葉ですから、保険や制度などのシチュエーションで使われることがほとんどです。
「補償」の意味と用法
「補償」の意味は、下記の通りです。
- 損失を補って、つぐなうこと
(出典・参考:デジタル大辞泉)
具体的な用法は下記の通り。
- 家が半壊してしまったが、地震保険に入っていたので補償が受けられて助かった
- iPhoneの画面が割れたが、5年保証に入っていたから補償してもらえた
「補って償う」という字の通り、何か起きた際の損失を埋め合わせる、といった意味合いで使われる言葉です。
まとめ
「保証」と「保障」と「補償」は、一見むずかしい言葉ですが、違いを押さえれば使い分けがしやすい言葉です。
概要を押さえたうえで、下記の通り覚えておきましょう。
- 保証:責任をもつこと
- 保障:権利を守ること
- 補償:損害を埋め合わせすること
シーンごとに、より適した表現を使っていって下さい。