三段論法とは?簡単な例と間違いやすいポイントをわかりやすく解説

三段論法とは?簡単な例と間違いやすいポイントをわかりやすく解説

今回は「三段論法」について解説します。

モノゴトを論理的に説明したいときに、三段論法は便利に使えるテクニックの一つです。文章を書くときでも、対話しているときにでも使える論法ですから、ぜひ基本を押さえておいてください。

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たくろー
Webディレクター
ライティングから編集、校正、ディレクション、SEO対策、アクセス解析、撮影、画像編集、Web制作と、なんでもやってるwebディレクターです。
現在はIT企業でインハウスSEO担当兼、メディア運営責任者・編集者として働きながら、札幌でWebライティングの講師として活動。「良いWebライターが増えれば仕事が楽になるなぁ」と思いながら、一人でひっそりと文亭を運営中。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

三段論法とは

三段論法とは、論理的な推論を重ねながらモノゴトを説明することで説得力を出す論法です。2つの判断と1つの結論がセットになっており、論理を三段階で組み立てることから「三段論法」と名付けられました。

具体的には、下記のような三段階で伝える構成になっています。

三段論法の構成
  1. 大前提(例:AはBだ)
  2. 小前提(例:CはAだ)
  3. 結論(例:だからCはBだ)

まず「大前提」とする条件があり、そこに「小前提」をつけ加えることで、二つの論理から説得力のある結論(推論)を導き出すのがポイントです。

この「大前提・小前提・結論」を、ひっくるめて「命題」とも呼びます。

三段論法の命題分類

三段論法で用いられる命題(大前提・小前提・結論)には、大きくわけて4つの分類があります。

三段論法の命題分類
  • 全称肯定命題(すべてのAはBである)
  • 全称否定命題(すべてのAはBではない)
  • 特称肯定命題(あるAはBである)
  • 特称否定命題(あるAはBではない)

これら4種類いずれかの命題を「大前提・小前提・結論」として組み合わせることで、論理的に推定をかさねていくことになります。

三段論法の種類と簡単な例

三段論法には「大前提」の命題の違いによって3つの型があります。

  • 定言三段論法|大前提の主題が「Aは」と断定的
  • 選言三段論法|大前提の主題が「AまたはBは」と選択的
  • 仮言三段論法|大前提の主題が「Aならば」と仮定的

簡単な例とともにみていきましょう。

定言三段論法

定言三段論法は、ごく一般的な三段論法です。最初の「大前提」が「AはBだ(ではない)」と断定する形で始まります。

ちなみに三段論法は、西洋の哲学者アリストテレスが提唱したものです。そのアリストテレスが提唱したという有名な例文が「定言三段論法」になっていますので、ご紹介します。

定言三段論法の簡単な例文
  • 大前提:全ての人間は死ぬ
  • 小前提:ソクラテスは人間である
  • 結論:ゆえにソクラテスは死ぬ

※余談ですが、ソクラテスはアリストテレスの師匠の師匠にあたります。

このように「AはBだ(ではない)」とはじまり、そこから推定を重ねて結論へ導くのが「定言三段論法」です。

選言三段論法

選言三段論法は、大前提が選択的になっている三段論法です。

大前提の命題が「AまたはBだ(ではない)」と始まり、そこから推定を重ねて結論へと導きます。

選言三段論法の簡単な例文
  • 大前提:選べる特典は金券か映画チケットだ
  • 小前提:私は映画を見ない
  • 結論:ゆえに私は金券を選ぶ

大前提の命題について考えるにあたり、小前提で示した内容によって結論の方向性が変わってきます。

仮言三段論法

仮言三段論法は、大前提が「仮定的」になっている三段論法です。

大前提の命題が「もしAならばBだ(ではない)」と始まり、推定を重ねて結論へと導きます。

仮言三段論法の簡単な例文
  • 大前提:もしエアコンを買ったら、冷蔵庫を買うお金がなくなる
  • 小前提:冷蔵庫がなければ、自炊するのに困る
  • 結論:ゆえに、もしエアコンを買ったら、自炊するのに困ることになる

仮定に現実的な状況を重ねて結論へと導くため、対話の中で何かを論理的に説明するときに便利な論法です。

三段論法で間違いやすいポイント

三段論法で間違いやすいポイントは、型だけを意識しすぎて論理が破綻してしまうことです。

扱う命題と論理の正しさを、しっかりと意識して使いましょう。

前提が正しくない

三段論法は、前提が正しいことで成り立つ論法です。正しくない前提を使うと、論理が破綻して間違った三段論法になってしまいます。

例えば「人それぞれの感じ方で変わること」などは命題にはできませんから、注意してください。

間違った三段論法の例
  • 大前提:札幌の夏は涼しい(←人によって感じ方が違う)
  • 小前提:いまは夏だが、暑い(←人によって感じ方が違う)
  • 結論:よってここは札幌ではない(←そうとは言えない)

前提がそもそも誤ってると、結果的にその後の推定もおかしくなり、間違った三段論法になります。

論理が都合よく飛躍してしまう

三段論法は、論理的な考え方により成り立ちます。大前提が正しかったとしても、小前提があまりに飛躍してしまうと、それは間違った三段論法になってしまいます。

間違った三段論法の例
  • 大前提:自分は運動が苦手だ(←正しい)
  • 小前提:自分は30代だ(←正しい)
  • 結論:だから30代は運動が苦手だ(←論理が飛躍している)

例えば上記のように、自分のことを30代全体のことであるかのように扱ってしまうと、それは論理の飛躍になります。

小前提では、条件を狭めるイメージで推定していくのが正しく三段論法を扱うコツです。

三段論法まとめ

三段論法は、論理的な説明をしたいときに便利なテクニックです。

しかし命題を間違えていたり、論理が飛躍してしまったりすると、一気に説得力がなくなってしまいます。

論理構造が誤っていないか確認しながら、スマートに三段論法を扱っていきましょう。

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