当記事では日本語文法における「述語」について解説します。
述語の意味や重要性、使い方などをわかりやすくご紹介しますので、ぜひこの機会におさらいしていって下さい。
また日本語文法の全体像は下記の記事で解説していますから、述語だけでなく全体的におさらいしたい方は、併せて参考にしてください。
述語とは
述語とは、主語の状態や性質、行動内容をあらわす言葉のこと。
その文の主役が「何だ」「どんなだ」「どうする」というように文章の主旨を説明する、文の成分の一つです。
文の中に色々と書かれていたとしても、結局のところ伝えたいことは「述語」に集約されますので、文の中でもっとも大切なパーツとも言えるでしょう。
また必ず「主語」とセットで使われるのも特徴で、どんな文章でも(そこに書かれていなくても)述語に対する主語が存在します。
例えば、
上記文中の「書いている、Webライターだ、いる、優しい、疲れた」が述語になります。(「疲れた」の主語は書かれていませんが「誰が」疲れたのかは前後の文脈によって決まり、存在することになります。)
その文の主役がどんな状態なのか、何をしているのか、どうするのか、ということをあらわす言葉が述語だと覚えておきましょう。
述語として使える言葉一覧
さまざまな言葉が述語として使えます。覚えるというよりも「こういった言葉が使えるんだ」と理解しておくと良いでしょう。
述語の見分け方
その文章の中で述語がどれなのか見分けたい場合「述語は主語とセットになっている」という規則を考えると簡単です。
今回は下記の文章の述語を探していきましょう。
述語を見分ける場合、まずは主語を探しましょう。
この文章の場合、文章を書くのも筆を進めるのも「私」ですので、主語は「私」になります。
では「文章を書く」の「書く」が述語なのでしょうか?
いえ、違います!
この場合「私」がするのは「筆を進める」ことですので「進める」が述語になります。
主語と対応している言葉がどれなのか考えれば簡単に見つけられますので「主語と述語はセットである」という規則を忘れないようにしましょう。
日本語の述語は、基本的には文末にある
そもそも日本語で書かれた一般的な文章の場合、述語は基本的に「文末」に設置されます。
あまり深く考えず、まずは文末の言葉が述語だろうとアタリをつけて考えるのがセオリーですね。
倒置法の場合だけ、述語が末尾にないので注意
また「倒置法」が使われている文章だけは述語が文末にないことがあります。
例えば「僕は八百屋で野菜を買った」という文を倒置法にすると「僕は八百屋で買った。野菜を」などになります。
この場合は「野菜を」ではなく「買った」が述語になりますので、とくに倒置法が使われている場合は、述語の位置を間違えないようにしましょう。
述語の適切な使い方|日本語の基本四文型
次に、述語の適切な使い方を解説していきます。
述語には「名詞・動詞・形容詞・形容動詞」が使われるのですが、それぞれ多少文型が変わってきます。
日本語の基本四文型に当てはめれば簡単ですので、一通りおさらいしておきましょう。
名詞の述語|「[主語]は[述語]だ」
名詞の述語を使う場合は「[主語]は[述語]だ」という文型で使うと良いでしょう。
この場合「学生、学年一位、テニス部」といった名詞が述語になります。主語の「性質」や「状態」を表したいときは、名詞を述語として使いましょう。
動詞の述語|「[主語]は[述語]する(しよう)」
動詞の述語を使う場合は「[主語]は[述語]する(しよう)」という文型で使うと良いでしょう。
この場合「走る、歩く、涼む」といった動詞が述語になります。主語の「行動」を表したいときは、動詞を述語として使いましょう。
形容詞の述語|「[主語]は[述語]」
形容詞の述語を使う場合は「[主語]は[述語]」という文型で使うと良いでしょう。
この場合「優しい、怖い、白い」といった形容詞が述語になります。主語の「印象」を表したい場合は、形容詞を述語として使いましょう。
形容動詞の述語|「[主語]は[述語]だ」
形容動詞の述語を使う場合は「[主語]は[述語]だ」という文型で使うと良いでしょう。
この場合「綺麗、便利、静か」といった形容動詞が述語になります。主語の「特徴」を表したい場合は、形容動詞を述語として使いましょう。
述語を選ぶ際の注意点
次に、実際に述語を選ぶときに注意しておきたいことをまとめました。
わかりやすい文章を書く上で、ぜひ押さえておきましょう。
主語と述語を対応させる
主語と述語が対応していないと、下記例文のように摩訶不思議な文章になります。
- 私のパソコンは→使っています(誤った係り受け)
- 最新のMacBook Airを→使っています(正しい係り受け)
正しく整理すると、以下のような文章になります。
このような主語と述語の対応を「係り受け」と言います。あまり意識していなかった方は、下記の記事を参考におさらいしておいて下さい。
「てにをは」を考慮して適切な言葉を選ぶ
これも主語と述語のねじれに関係する事柄ですが「てにをは(助詞)」も適切に使えるよう注意しておきましょう。
「てにをは」とは主語の後ろにつく文章のハンドルのような言葉。「僕に」「僕を」「僕は」と、主語の後ろにどんな言葉をつけるのかによってその後の文章の流れが変わります。
例えば「宇宙飛行士になりたい」という文章も「てにをは」が変わると文章の流れも変わり、適切な述語も違ってきます。
このように色々と表現が変わってきますので、述語の使い方と同時に「てにをは」についてもおさらいしておきましょう。下記の記事を参考にして下さい。
文末表現にも注意
述語は倒置法でない限り文末にきますので「文末表現」に意識を向けるのも大切です。
文末表現とは、文章の末尾の表現のこと。「〜です」「〜でしょう」などの表現を指します。
ずっと同じ文末表現が続くと、単調かつ稚拙な印象の文章になってしまうため、大人っぽい文章を目指すなら「適度に文末表現を散らす」というテクニックを身につけるのが大切。
ぜひ合わせて身につけておいてください。
まとめ
述語を適切に選ぶのは、文章表現においてとても大切なことです。
その文で伝えたい要点を表現するのは結局のところ述語の仕事ですので、ぜひマスターしておきましょう。
また「述語」は「文の成分」の中の一つです。他の要素も合わせておさらいしておいてください。