当記事では日本語文法における「形容詞」について解説します。
形容詞という言葉の意味や種類、用法などについてわかりやすくご紹介しますので、ぜひこの機会におさらいしていって下さい。
また日本語文法の全体像は下記の記事で解説していますから、形容詞だけでなく全体的におさらいしたい方は、併せて参考にしてください。
現在はIT企業でインハウスSEO担当兼、メディア運営責任者・編集者として働きながら、札幌でWebライティングの講師として活動。「良いWebライターが増えれば仕事が楽になるなぁ」と思いながら、一人でひっそりと文亭を運営中。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』
形容詞とは
形容詞とは、ものごとの状態や様子をあらわす言葉のこと。その言葉単独で成り立つ自立語であり、前後の文脈や用法によって活用をともなって使われる品詞です。
「白い」「白かろう」「白かった」「白く」など。
ものごとについて詳しく説明したいときに必要になる言葉です。
「美しい」「白い」「寒い」「暑い」「強い」等
形容詞の活用一覧表
形容詞は活用を伴う言葉です。とはいえ形容詞には、たったの一種類しか活用がありません。
下記一覧表にまとめましたので、おさらいしておいて下さい。
| 活用形 | 活用 | 例 |
|---|---|---|
| 未然形 | かろ | 白かろう |
| 連用形 | かっ、く | 白かった、白く |
| 終止形 | い | 白い |
| 連体形 | い | 白い |
| 仮定形 | けれ | 白ければ |
| 命令形 | – | – |
動詞には多くの活用形がありますが、形容詞はシンプルなので覚えやすいはずです。
形容詞と形容動詞の違い・見分け方
よく話題に上がるのが、形容詞と形容動詞の見分け方や違いです。
簡単に見分けるには「語尾」に注目しましょう。
- 形容詞：語尾が「い」で終わって完結している
- 形容動詞：語尾に「だ」「な」を付けられる
例えば「きれい」という言葉は一見形容詞のように見えますが、語尾に「だ」や「な」をつけて「きれいだ、きれいな」とできるため、形容動詞になります。
反対に「白い」「寒い」などは語尾が「い」で終わって完結しており、語尾に「だ」は付けられないため、形容詞であると判断できます。
※ちなみに形容詞を「イ形容詞」。形容動詞を「ナ形容詞」と分類する業界（外国人向けの日本語教育など）もありますが、当サイトでは明確に「形容詞」と「形容動詞」として分けて扱います。
形容詞と形容動詞は、どちらも状態や様子をあらわす言葉なので混乱してしまいがちですが、基本的に上記のルールで見分けると良いでしょう。
形容詞の用法と具体例
次に、形容詞の用法について解説します。
文の成分としては「主語」「述語」「修飾語」「接続語」として使えますので、それぞれ具体例とともに解説していきます。
主語として使う
形容詞を転用して「転成名詞」とすることで、主語として扱えます。基本的は形容詞から「い」を取り「さ」を加えることで転成名詞になります。
この「白さ」は、他に類を見ない。
彼女の「美しさ」は本物だ。
転生名詞については「名詞」について解説した記事も合わせて参考にして下さい。
上手に文章を組み立てるには、このように形容詞を主語に持ってくる利用法も押さえておきましょう。
述語として使う
形容詞はそのまま述語として扱えます。
この本は、とても「面白い」。
空がとても「青い」。
形容詞の代表的な使い方の一つですね。
修飾語として使う
形容詞は、そのまま修飾語としても扱えます。
この「白い」雲は、まるで綿飴のようだ。
彼は「怖い」映画が苦手だ。
あまり多くの形容詞は使いすぎず、あくまで読み手にとってわかりやすい文を心がけましょう。
接続語として使う
形容詞の仮定形である「〜ければ」という言葉、あるいは「〜なら」などの助詞をつけた言葉は、接続語として扱えます。
部屋がもっと「広ければ」、このベッドを置けたのに。
こんなに「可愛いなら」、さぞ美人になるだろう。
上手に扱うことで、文をひとまとめにしてわかりやすく表現できます。
まとめ
形容詞は、ものごとを詳しく説明したいときに役立つ品詞です。
ぜひ適切に扱って、わかりやすい文章を書いていって下さい。
