曖昧(あいまい)表現とは|Webライティングで避けるべき文章表現

当記事では「曖昧(あいまい)表現」について解説します。

日常会話で使う分には問題ありませんが、特にWebライティングにおいて「曖昧」な表現は避けるべきです。

今回は曖昧表現の意味や避け方、具体例などをわかりやすくご紹介していきます。

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\ この記事を書いた人 /

たくろー
Webディレクター
ライティングから編集、校正、ディレクション、SEO対策、アクセス解析、撮影、画像編集、Web制作と、なんでもやってるwebディレクターです。
現在はIT企業でインハウスSEO担当兼、メディア運営責任者・編集者として働きながら、札幌でWebライティングの講師として活動。「良いWebライターが増えれば仕事が楽になるなぁ」と思いながら、一人でひっそりと文亭を運営中。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

曖昧(あいまい)表現とは

曖昧表現とは、ものごとを具体的に示さず、読み手に解釈を任せる文章表現のこと。

その程度にもよりますが、曖昧表現の使われた文章は「長いわりに情報量が少なくなる」という傾向にあります。

日常会話で使うには便利な表現ですが、特にWebコンテンツ制作においては可能な限り避けましょう。

例文を用意しました。

曖昧表現の例

ユニクロはとても多くの服が販売されている店舗です。値段もわりと安く、どの世代でも着れるような服がどの季節でも用意されていることから、日々多くの方が訪れています。また日本だけでなく世界中に出店しており、全世界で人気を誇っています。

なんとなくスラスラと読めてしまったとは思いますが、結局この文を読んでユニクロに関する何がわかったかというと「多くの服が置いてある」「値段が安い」「世界展開している」という曖昧な3つの情報だけでした。

そこで、曖昧表現を避けてできるだけ具体的に書いてみます。

具体的な文章の例

ユニクロはファーストリテイリング社が運営する、世界展開のアパレルショップ。10,000円を切る価格で買える「ウルトラライトダウン」で一躍人気になりましたが、他にもヒートテック、エアリズムなど季節問わず多くの人気商品が販売されています。さらにメンズ、ウィメンズ、キッズと揃っており、デザインもベーシックなことから、世代問わず愛されるアパレルブランドに成長しました。

1文多くなりましたが、それ以上に情報量が増えましたよね。

曖昧表現を避け、できるだけ具体的に書いた方が、より多くの情報を伝えられる質の高い文章になります。

曖昧表現を避けるメリット

曖昧表現を避けて作られたコンテンツは、製作者にとっても読者にとってもメリットがあります。

ここでは曖昧表現を避けるメリットを3つに整理してご紹介していきます。

コンテンツの信憑性が増す

情報を具体的に書くことで、そのコンテンツの信憑性が増すのが大きなメリットです。

読者からすれば「これだけ具体的に書かれているなら、きっと詳しい人が書いた正しい情報だろう」と感じやすく、コンテンツに対する満足度が上がる傾向にあります。

結果的に、そのコンテンツの目的(集客やリードの獲得など)を達成しやすくなるでしょう。

読者に誤情報として伝わるリスクが減る

情報を具体的に書くことで、解釈を読者に委ねる部分が減り、誤って伝わるリスクが減ります。

例えば「安い」という言葉一つとっても、人によって感覚が異なるものです。ダウンジャケットが5,000円でも高いと感じる人もいれば、100,000円でも安いと感じる人もいるということです。

人は日常生活で接しているモノゴトを基準に考えますので、感覚に左右される事柄には具体的な基準を設けることで、書き手の意図した解釈で情報を伝えやすくなるというメリットがあります。

SEO対策になる

モノゴトを具体的に書くことで、結果としてSEO対策につながる可能性があるのもメリットです。

例えば「あれ」「これ」などの言葉が指し示しているモノゴトは、よほど正しい文法で書いておかなければクローラーに上手く伝わりません。結果的に、誤った情報を提供しているコンテンツだと見られてしまう可能性も考えられます。

また昨今のSEOでは、筆者独自の考察をもとに具体的に書かれた「オリジナルコンテンツ」が評価される傾向にありますので、SEO対策を意識するなら曖昧で情報の少ないコンテンツを公開するのは避けておきましょう。

曖昧表現を避ける方法

それでは、具体的にどのように曖昧表現を避けていくべきか解説していきます。

4つの手段にまとめましたので、ぜひ一通り押さえておいて下さい。

具体的な指示語を使う

いわゆる「こそあど言葉」と言われる言葉をはじめとして、モノゴトを曖昧に指し示す言葉はできるだけ避けましょう。

「あれ」や「これ」などはもちろん「以前」「さきほど」など曖昧な期間を指す言葉も避け、具体的な情報を示すことが大切です。

  • 「この情報も覚えておきましょう」→「下記3つの情報も覚えておきましょう」
  • 「先ほどお伝えしたように」→「”曖昧表現を避けるメリット”の項目でお伝えしたように」
  • 「以前は多くの方が訪れていました」→「開店当初は今の3倍の利用者が訪れていました」

何を指しているのか明確にするのは、読み手の満足度を上げるための基本テクニックです。

具体的な数値を使う

曖昧表現を避けるには、まずはできるだけ具体的な数値を使うよう心がけましょう。

特に「安い」「多い」「少ない」など、人それぞれの感覚によって大きく解釈が異なる情報については、具体的な数値を出すことをおすすめします。

  • 「海鮮丼が安くて人気です」→「500円を切る価格の海鮮丼が人気です」
  • 「とても多くの方が利用しています」→「年間30万人もの方が利用しています」

具体的な数値が分からないのであれば、わかるまで調べるのが正解です。

ユーザーにとって有益な情報を提供できるよう、できるだけ具体的な数値を使うよう注意してみて下さい。

比較を使う

具体的な数値を出すのが難しいときには、他の何かと比較したり、たとえとして使ったりするのも良い手段です。

  • 「海鮮丼が安くて人気です」→「コンビニ弁当くらいの価格で食べられる海鮮丼が人気です」
  • 「とても多くの方が利用しています」→「まるで地域のスーパーのように、毎日多くの利用者で賑わっています」

具体的な数値は分からずとも、このように一般的な認知度が高いモノゴトと比較することで、イメージを共有しやすくなります。

評判を利用する

具体的な数値や比較対象を出すのが難しい場合、利用者の評判を調査して取り入れるのも良い手段です。

  • 「海鮮丼が安くて人気です」→「海鮮丼が安くて美味しいと評判です」
  • 「とても多くの方が利用しています」→「写メをSNSに挙げる方が多く、毎日賑わっています」

この場合は出典を明記して「引用」という形でレビューを利用しましょう。

今はGoogleMapやSNS、ECサイトなどで気軽にレビューを調査できますので、比較的手軽に利用できて根拠づけになる良い手法です。

よく使ってしまう曖昧表現例

次に、よく使ってしまう曖昧表現をまとめておきます。

以下の表現は避けるか、同時に具体的なイメージまで伝えられるように工夫してみて下さい。

数字を曖昧にあらわす表現

安い、高い、多い、少ない、若い

加減を曖昧にあらわす表現

とても、かなり、非常に、すごく、ゆっくり、じっくり、ちゃんと、しっかり

何を指し示しているのか曖昧な表現

あれ、これ、それ、どれ、以前、先ほど、この後、後述、前述、あのとき、今度

まとめ

コンテンツ中の曖昧表現が多すぎると、訪れた読者の満足度が低くなり、結果的にコンテンツやサイト自体の価値や評価が下がってしまう可能性があります。

便利な言葉ではありますが「ユーザーファースト」を考え、可能な限り正確で具体的な言葉を使って書いていきましょう。

また、それと同時に「修辞法(レトリック)」で飾り付けるとグッと文章が読みやすくなりますので、あわせて下記の記事も参考にしてみて下さい。

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