ブランディングや集客、販促のために「会社ブログ」を活用する事例が増えています。
しかし「とにかくブログを書けばよい」というものでもありません。闇雲に社長や社員の日記を書いたところで、誰からも読まれないばかりか、かえってとっつきにくい企業イメージを作ってしまう可能性すらあります。
今回は会社ブログの書き方や、事業における成功事例をご紹介していきます。
※基本的な「ブログの書き方」については、下記の記事をご覧ください。
会社ブログとは
会社ブログとは、会社ホームページや店舗のホームページ内の1コーナーで運営するブログを指します。
例えば会社のホームページ内でエンジニアがテックブログを公開する場合もあれば、美容室の店舗ごとにスタッフが個別のブログを書く場合もあります。喫茶店のホームページで、コーヒーに関するブログ記事を公開するのもよく見ますね。
内容は様々ですが、その目的は「ブランディング・集客・販促」のいずれか、あるいはすべてに関係します。
会社ブログに書くネタは?
では会社ブログに何を書けば良いのでしょうか。
目的に沿って書いていく内容は変わってきますから、ブログによって何を実現したいのか検討した上で書いていって下さい。
「ブランディング・集客・販促」の3点に分けて、会社ブログに書くネタの例をご紹介していきます。
ブランディングのための会社ブログで書くネタの例
ブランディングを目的に会社ブログを書く場合は、独自の調査結果や自社イベント情報、タイアップ情報、そのほかサービス分野におけるごく専門的な情報を掲載するのがおすすめです。
会社ホームページに訪れた方に「こういう会社なんだ」とわかってもらうような、会社の活動や理念が伝わるテーマの記事を書いていきましょう。会社の活動について特に詳しい役員レベルの方や、PRを担当する方が書くとスムーズです。
すでに知名度のある会社が世界観を強く打ち出していくケースや、取引先を訪れた際に営業ツールの一つとして活用するケースなどがあります。
販促のための会社ブログで書くネタの例
販促のために会社ブログを書く場合は、利用や購入を検討している見込み顧客の背中を押すような記事を書いていくのが基本です。サービスの認知はされており、検討段階の顧客が多い事業に有効です。
それが介護施設であれば、ご両親を施設に入れようと検討している40〜50代の方が安心できるような日々の活動記を書くケースが多い傾向にあります。あるいは美容室であれば、ターゲットとする年代の流行カット情報や、実際にカットしている様子、美容師がトレーニングをしている様子など、親しみをもってもらえる情報を配信すると良いかもしれません。
見込み顧客に「利用してみよう、問い合わせてみよう」と思ってもらえるようなブログ記事を書く必要があります。
集客のための会社ブログで書くネタの例
集客のために会社ブログを書く場合は、自社の専門性を活かした、見込み顧客が知りたい情報を発信していくのが基本戦略になります。
例えばスポーツジムであれば「懸垂のやり方」「ラットプルダウンマシンの使い方」など、筋トレに興味のある方が調べそうなテーマで記事を書いて、検索から訪れた方を集客するようなイメージです。
しかしSEO対策を意識してキーワードを選定したり、Webライティングの基本を押さえて記事を書いたりと、執筆テーマ以外にWeb集客に関する専門的な知識も必要になります。
社内に専門家がいない場合は外部コンサルと連携しなければ上手くいかないことも多いですが、コストをかけた分だけ、総合的な売上に対するインパクトが大きいのが集客を目的とした会社ブログです。
会社ブログの成功事例
百聞は一見にしかず、会社ブログの成功事例を見ていきましょう。
House E-mag(ハウス食品)
日本の有名企業の一つ「ハウス食品」は、会社ブログとして「House E-mag」を運営しています。
料理や健康についての情報を発信しており、例えばGoogleで「ダイエット」と検索すると、かなり上位の方にハウス食品のブログ記事が登場します。
「健康的な食事やダイエットといえば」なイメージをつけるために、このように情報発信をして、見込み客の集客やブランディングに成功しています。
コーヒーのおいしい話(キーコーヒー)
全国展開しているカフェ「キーコーヒー」も、会社ブログとして「コーヒーのおいしい話」を運営しています。
コーヒーの淹れ方や文化について発信しており、例えば「コーヒー 淹れ方」と検索すると、上位に記事が表示されます。
さほど多くの記事を書いているわけではありませんが、会社ブログが「コーヒーといえばキーコーヒー」というブランディングにおける重要な役割を担っています。
まなのもり(株式会社まなのもり)
地域に根付いた会社もご紹介します。札幌で保育園を運営する企業「株式会社まなのもり」も、ブログに力を入れています。
まず札幌近郊で「保育園」と検索するとかなり上位の方に会社ホームページが出てきます。中を見てみると運営する保育園施設ごとにブログを書いていることがわかります。
ブログでは活動内容が写真付きで書かれており、子供を預けている親御さんや、預けるか検討している親御さんが安心できるような記事がたくさん公開されています。
サイト自体も作り込まれており、ブランディングや販促、集客をバランスよく実現している成功事例と言えるでしょう。
会社ブログの書き方
では会社ブログは、具体的にどのように書けば良いのでしょうか。
ブログは書き始めるのは簡単ですが、続けるのが難しいのが難点です。ただなんとなく書き始めるだけでは、多くの場合途中で書かなくなったり、方向性がずれてしまったりと失敗しやすい傾向にあります。
会社業務の一環として、目的や目標、割けるリソースなどを検討した上でブログを書いていきましょう。
1. 目的や目標を定める
まずは会社として、何を目的として、誰に向けてブログを書くのか検討します。そしてどんな成果を得たいのか、目標とすることも定めましょう。
例えば下記のようなことを、会社としてブログに期待することを元に定めます。
目的の例 | 集客、ブランディング、販促 |
対象の例 | 見込み客、既存顧客 |
目標 | 予約数、販売数、問い合わせ数、認知度などのアップ |
できれば具体的な数値も設定したいところですが、イメージがわかなければざっくりした方向性だけでも問題ありません。ブログ公開後に反響をみながら具体的な数値に落とし込んでいくのでも良いかと思います。
2. ブログを導入する
会社ホームページに、すでにブログのシステムが入っていれば問題ありません。しかしもしも入っていなければ、Web制作会社へ相談するなどしてブログシステムを導入しましょう。
多くの場合はWordPressなどのCMSをサイトの下層ディレクトリに設置するか、スクラッチで0からブログシステムを制作してもらうかです。費用の兼ね合いも考えて検討しましょう。
例えば小規模なビジネスの場合は、WordPressに載せ替えて自身でトップページからすべて作成してしまうのも手です。
(例えば当サイトも、全ページをWordPressで作成しています。)
3. 執筆担当者を決める
ブログシステムの目処がたったなら、執筆する担当者を決めましょう。「誰か気づいた人が書いてね」ではいつまで経っても更新されませんし、原稿作成も上手くなりません。
担当者を決めて、ある程度文章の書き方などを学びながら、業務の一環としてブログに取り組んでもらうことをおすすめします。
もちろんメインの業務と兼任でも問題ないと思いますが、目標とする更新頻度にもよりますから、目標値と照らして検討してみてください。
4. KPIを設定する
会社ブログを書く担当者が、何を目標に書いていけば良いのか明確にしましょう。
もっともわかりやすいのは、記事数をKPIとする運用です。例えば1週間に1記事なのか、1ヶ月に5記事なのか、業務配分や目的にあわせて設定してみてください。そのうえで「毎日1時間は執筆に充てる」など、ブログを書くリソースを確保します。
記事数を追うだけで質の低い記事になっては本末転倒ですから、現実的な数値で様子を見ながら調整していくことをおすすめします。
5. 実際にブログ記事を書いて公開する
ここまでできれば、あとはブログ記事を書いて公開していきます。
特に最初は誤字脱字がないか、会社として発信したい内容と相違がないか、コンプライアンス的に問題ない内容になっているかなど、複数人が確認しながら運用することをおすすめします。
社内で確認するのが難しければ、外部のSEOコンサルなどに依頼するのも手ですが、一般的には月額30万円〜程度の費用が掛かります。予算との兼ね合いを見ながら運用していきましょう。
6. 書いた記事の反響を分析して方向性を見直していく
ブログ記事は、公開して終わりではありません。
それによって会社ホームページのアクセスがいくら伸びたのか、予約や問いあわせが何件増えたのか、来客数がどれだけ増えたのかなどを分析して、PDCAを回していきましょう。
初めからはなかなか上手くいきませんから、少しずつ改善していくことが大切です。
会社ブログで集客・ブランディングを強化しよう
会社ブログは、地道に続けていけば「自動販売機」に育っていきます。
営業しなくても、見込み客がどこからか訪れてブログを読み、サービスに興味を持ち、問い合わせをしてくれる。そんな仕組みを作るには、目的を明確に定めた会社ブログの運用が一番の近道かもしれません。
ぜひ会社ブログの導入を検討してみてください。