当記事では日本語文法における「接続語」について解説します。
接続の意味や種類、使い方などをわかりやすくご紹介しますので、ぜひおさらいしていって下さい。
また日本語文法の全体像は下記の記事で解説していますから、接続語だけでなく全体的におさらいしたい方は、併せて参考にしてください。
接続語とは
接続語とは、文節と文節をつなぐ言葉のこと。文の成分の中の一つです。
例えば「しかし」「ですが」「また」「そして」など。
物事を順序よく説明するとき、説明を補足的に追加したいときなど、文章を読みやすくするために用いられる言葉です。
接続語と接続詞の違い
接続語と接続詞は、その呼び名が使われる土俵が違います。
つまり「文の成分や構造」の話をするときは「接続語」が話題に上がり「品詞」について話すときは「接続詞」が話題に上がります。
また「接続語」の方が、広い範囲の要素を包括する言葉です。
接続詞は、あくまで接続語の中の一つなんだと覚えておいて下さい。
接続語の種類と文章例
接続語には、大きく分けて9つの種類があります。
それぞれの接続語の用途を、文章例も交えながら解説しました。おさらいしていって下さい。
1. 順接の接続語
順序よく物事を説明するときに使われるのが、順接の接続語です。
上記文のように「Aだから、Bである」という構文になります。
だから、それで、すると、というわけで、等
2. 逆説の接続語
伝えたことと反対の事柄を説明するときに使われるのが、逆説の接続語です。
上記文のように「Aだが、Bである」という構文になります。
でも、しかし、とはいえ、だが、けれども、等
3. 累加の接続語
説明した物事にたいして、追加で何かを説明するときに用いられるのが「累加」の接続語です。
上記文のように「Aであり、さらにBである」という構文になります。
さらに、そのうえ、しかも、それだけでなく、等
4. 並列の接続語
いくつかの物事を並べて説明するときに使われるのが、並列の接続語です。
上記文のように「〜はA、およびBである」という構文になります。
および、ならびに、それから、あとは、等
5. 対比の接続語
物事を比較するときに用いられるのが対比の接続語です。
上記文のように「AがBなのに対して、CはDである」という構文になります。
対して、いっぽう、等
6. 選択の接続語
物事を並べて選択するときに使われるのが、選択の接続語です。
上記文のように「AあるいはBである」という構文になります。
あるいは、もしくは、等
7. 補足の接続語
何かを説明したあと、追加で伝えたいことがあるときは「補足」の接続語を使います。
上記文のように「AはBだ。なお、Cである」という構文になります。
なお、ちなみに、そうそう、等
8. 要約の接続語
説明した物事について、総括的にまとめるときには「要約」の接続語を使います。
上記文のように「Aである。すなわちBである」という構文になります。
つまり、なぜなら、すなわち、等
9. 転換の接続語
文章の中でガラッと話題を変えたいときは、転換の接続語を使います。
上記文のように、話題をくぎりたいときに使いましょう。
ところで、さて、では、ときに、等
接続語をつかってわかりやすい文章を書くコツ
最後に、接続語を上手に使うコツを解説します。
接続語を適切に使って、もっとわかりやすい文章を書いていきましょう。
一文につき、接続語は一つまで
一文につき接続語は一つまでにしておいた方が、わかりやすい文章になります。
例えば下記の文章は、一文に接続語を詰め込んだNG例です。
接続語を多く含む文章は、結局何が言いたいのかわかりにくくなります。その文で伝えたいことを絞り、接続語が基本的に一つまで抑えるようにしましょう。
これは「係り受け」にも関わる事柄ですので、あわせて下記の記事も参考にしてみて下さい。
「たり〜たり」の表現ルールを守る
「たり〜たり」は並列で物事を説明するときに便利な言葉ですが、用法を間違いやすい言葉でもあります。
例えば下記の文章は、たりを使ったNG例です。
並列で並べるときは「たり」を重ねるのが正しい用法になりますので「今日は買い物に行ったり、カフェに行ったりして過ごした」が正になります。
基礎的な文法ルールは守っていきましょう。
まとめ
接続語は、文章をわかりやすくするためのスパイスのような言葉です。
ぜひ正しい知識をもとに適切に取り入れて、読者から見て読みやすい文章を書いていきましょう。