当記事では日本語文法における「品詞」について解説します。
品詞という言葉の意味や種類、用法などについてわかりやすくご紹介しますので、ぜひこの機会におさらいしていって下さい。
また日本語文法の全体像は下記の記事で解説していますから、品詞だけでなく全体的におさらいしたい方は、併せて参考にしてください。
品詞とは
「品詞」とは、名詞や動詞など種類ごとにグルーピングした言葉の総称のこと。日本語文法においては、全部で10の品詞が存在します。
言葉の単位で言えば、もっとも小さい要素である「単語」がすべて何らかの「品詞」です。
「品詞」は文を構成する最小単位の言葉であり、種類ごとにグループ分けされている、と捉えておきましょう。
品詞の種類と用法
それでは、日本語文法における10種類の品詞を順番に解説していきます。
それぞれ詳細に解説している記事へのリンクも掲載していますので、あまり理解できていない品詞は詳しくおさらいしておいてください。
名詞
名詞とは物事の名称をあらわす言葉のこと。
名詞は品詞の中で唯一「単独で主語になれる」という特徴を持つ特別な言葉。もう少し文法的な解説を重ねると「活用がない自立語である」という特徴も持ちます。
「犬」「私」「山田太郎」「あれ」など。
要するに、それ単体で成り立ち、主役になれる言葉が「名詞」だと覚えておきましょう。
動詞
動詞とは、ものごとが自発的に行動する様や、受動的に作用を受ける様などをあらわす言葉のこと。前後の文脈や用法により、さまざまな活用をともなって使われる品詞です。
「書く」「書かれた」「書ける」「書こう」など。
ものごとを伝えるために、大切な役割を果たす言葉です。
形容詞
形容詞とは、ものごとの状態や様子をあらわす言葉のこと。その言葉単独で成り立つ自立語であり、前後の文脈や用法によって活用をともなって使われる品詞です。
「白い」「白かろう」「白かった」「白く」など。
ものごとについて詳しく説明したいときに必要になる言葉です。
形容動詞
形容動詞とは、ものごとの状態や様子をあらわす言葉のこと。その言葉単独で成り立つ自立語であり、前後の文脈や用法によって活用をともなって使われる品詞です。
「きれいだ」「きれいなら」「きれいに」「きれいな」など。
ものごとについて詳しく説明したいときに必要になる言葉です。
連体詞
連体詞とは、体言である名詞を修飾する(より詳しく説明する)ために用いられる言葉。単独で成り立つ自立語で、活用がないのが特徴です。
「大きな」「ある」「この」「いわゆる」など。
文法的に言えば「連体修飾語」として活躍する言葉です。
副詞
副詞とは、用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾するために用いられる言葉。単独で成り立つ自立語で、活用がないのが特徴です。
「決して」「かなり」「きらきらと」など。
文法的に言えば「連用修飾語」として活躍する言葉です。
接続詞
接続詞とは、文節と文節をつなぐ役割を持つ言葉のこと。単体で「接続語」として使える自立語で、活用しないのが特徴です。
例えば「しかし」「ですが」「また」「そして」など。
物事を順序よく説明するとき、説明を補足的に追加したいときなど、文章を読みやすくするために用いられる言葉です。
感動詞
感動詞は「呼びかけ」や「感動」「あいさつ」などを表す言葉。独立語としてだけ使われる自立語で、活用のない品詞です。
「ああ」「もしもし」「こんにちは」「いいえ」など。
主に文頭で用いられる、文のアクセントになるような言葉です。
助詞
助詞とは、会話の方向性をコントロールする役割を持つ言葉のこと。さまざまな自立語と一緒に使われる付属語で、活用のない品詞です。
「は」「が」「も」など。
種類も多くて覚えようと思えば大変な品詞ですが、ぜひその役割を理解して、適切に使えるようになりましょう。
助動詞
助動詞とは、言葉の後ろにつけることで意味を付け加える役割を持つ言葉のこと。単体では成立しない「付属語」で、活用があることが特徴の品詞です。
例えば「書く」という動詞は、「書かれる」「書かせる」「書かない」など、色々と語尾が変わって(活用して)様々な意味で使える言葉ですね。
上記例で「書く」の語尾についた「れる」「せる」「ない」といった言葉が、助動詞です。
単体では意味が通じず、このように他の言葉の語尾につくことで言葉を成り立たせる品詞だと覚えておきましょう。
まとめ
品詞を正しく理解すると、読者から見て読みやすくわかりやすい文章を書く助けになります。
関係ないと思わず、ぜひ一度じっくりとおさらいしてみてください。
また「言葉の単位」「文の成分」についても知っておくと、日本語文法の全体像についての理解がさらに深まります。合わせて下記の記事も参考にしてみてください。