繰り返し記号(踊り字)とは?種類と用法、入力方法を解説

当記事では、日本語の文章で使われる「繰り返し記号(踊り字)」について解説します。

繰り返し記号の種類や用法、また入力方法までわかりやすくご紹介しますので、ぜひ文章執筆の参考にして下さい。

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たくろー
Webディレクター
ライティングから編集、校正、ディレクション、SEO対策、アクセス解析、撮影、画像編集、Web制作と、なんでもやってるwebディレクターです。
現在はIT企業でインハウスSEO担当兼、メディア運営責任者・編集者として働きながら、札幌でWebライティングの講師として活動。「良いWebライターが増えれば仕事が楽になるなぁ」と思いながら、一人でひっそりと文亭を運営中。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

繰り返し記号(踊り字)とは

「繰り返し記号(踊り字)」とは、漢字や仮名をくりかえすときに、言葉を省略してあらわすための記号のこと。

「々」「ゞ」「〃」などの記号を指し、他にも「畳字、重文、送り字、重ね字、ゆすり字、ゆすりがな」など、さまざまな名称で呼ばれる場合があります。

なお文化庁が過去に発表した『くりかへし符号の使ひ方(をどり字法)』では「繰り返し符号」の名称で仮に統一するとされましたが、あまり定着しておらず、現代では主に「繰り返し記号」「踊り字」と呼ばれています。

「繰り返し記号」「繰り返し符号」「踊り字」の検索数
2004年からの検索トレンド。「繰り返し符号」はほぼ使われていない。

繰り返し記号(踊り字)一覧と入力方法

繰り返し記号の一覧と、その入力方法をご紹介します。

記号名称unicode変換
ノノ字点3003「おなじ」を変換
同ノ字点3005「おなじ」を変換
一ツ点30FDなし
一ツ点30FEなし
一ツ点309Dなし
一ツ点309E「おなじ」を変換
二ノ字点303Bなし

〳〵

くの字点上3033
下3035
なし

〴〵

くの字点上3034
下3035
なし

なお「くの字点」は基本的に縦書き表記でつかわれますが、横書きで「〳〵」「〴〵」と書くこともあります。

「おなじ」で変換できる代表的な記号以外はUnicodeから入力するか、コピペして単語登録しておくと良いでしょう。

繰り返し記号(踊り字)の種類と用法

それでは5種類の繰り返し記号の用法をご紹介していきます。

現代文で主に使われているのは「〃」と「々」くらいですが、この機会に一通りの意味や使い方をおさらいしておいて下さい。

ノノ字点「〃」

ノノ字点「〃」は、数字や語句を繰り返す際に使われる繰り返し記号。

よく管理表などで使われるほか、同じ語句が何度も続く文章で用いられます。

例1
金額使途
1141000円食事代
1500円備品代
232400円
2142000円
表の用例
例2
  • A案を可とするもの 100名
  • B案   〃    54名
  • C案   〃    46名

ノノ字点「〃」は上記例のように、一般的な文章というよりも、何かのデータを一覧でまとめる際に使われることが多い繰り返し記号です。

同ノ字点「々」

同ノ字点「々」は、同じ漢字を繰り返すときに使われる記号です。

  • 益々
  • 精々
  • 早々

なお元々は漢字の「仝」が使われていて、のちに同ノ字点「々」に転化したと言われています。

二ノ字点「〻」

二ノ字点「〻」は、同ノ字点「々」とまったく同じ用法で使われる、漢字の繰り返しを意味する記号です。

二ノ字点「〻」は主に手書きで使われる表記であり、印刷の際は同ノ字点「々」が使われることがほとんどです。

PCやスマホで使用する際は、基本的には同ノ字点「々」を使いましょう。

一ツ点「ヽ」「ヾ」「ゝ」「ゞ」

一ツ点は、ひらがなを繰り返す際に使われる記号。通常のかなには「ヽ」か「ゝ」を。濁点のついたかなには「ヾ」か「ゞ」が用いられます。

  • こゝろ

なお現代文ではほぼ使われませんので、一般的な文章を執筆する際に使うのはおすすめできません。あえて古風な表記をする機会があれば使って下さい。

くの字点「〳〵」「〴〵」

くの字点は、かなが含まれた2文字以上の言葉に用いられる繰り返し記号。「〳〵」は通常の言葉に。「〴〵」は1字目に濁点がつく言葉に使われます。

縦書き例

いよ〳〵
それ〴〵
思い〳〵
散り〴〵

横書き例
  • しば〳〵
  • しみ〴〵
  • 一つ〳〵
  • 代わる〴〵

横書きで使われることはあまりなく、主に縦書きで用いられます。

繰り返し記号(踊り字)を使う際の注意点

繰り返し記号は、一部を除いて現代文ではあまり使われません。

例えば若者向けのメディアで「しば〳〵」などという表記を使っても、読者にとっては読みにくいだけですので、基本的には相手がスムーズに理解できるであろう記号だけを使いましょう。

(一般的なのは「〃」と「々」くらいです)

もちろん小説など自己表現の場ではその限りではありませんが、Webライティングやビジネスメールなど相手のいる文章では使用に注意して下さい。

まとめ

繰り返し記号は、適切に使えばとても便利な記号です。

ただ基本的には手書き表記の際に省略するために普及した記号ですので、PCであえて使う場合は一種の「修辞」的な意味合いが強くなります。

それを理解したうえで、適度に使用していきましょう。

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