今回は年齢を表す漢字「才」と「歳」の違いについて解説します。
本来「才」は、年齢をあらわすときに使うべき漢字ではありません。年齢をあらわすときに「才」を使う場合は、あくまで「歳」の「略字」としての扱いであり、他にもっと適した用途のある漢字です。
ぜひ使い分け方を覚えておきましょう。
「才」と「歳」はどう違う?
「才」と「歳」は、そもそも別の概念をあらわす漢字で、まったく用途が違います。
- 「才」:才能など、能力に関する概念を表現する漢字
- 「歳」:年齢など、年月に関する概念を表現する漢字
しかし年齢をあらわすときに、例えば「今年で12才になります」と表現することもありますよね。これは「歳」の漢字を小学校では習わないために、略字として「才」を使うことになっているからです。
(ちなみに「歳」は基本的に中学校で。「才」は、2020年度の学習指導要領では小学2年生で習います)
よって少なくとも社会人として何かを執筆する場合、年齢をあらわすときには「才」ではなく「歳」を使うと良いでしょう。
「歳」の意味と用法
歳の意味は、辞書では下記の通り定義されています。
太陽暦で、地球が太陽を一周する時間。太陰暦で、月が地球を一二周する間。年。
出典:精選版 日本国語大辞典
もちろん「3歳、30歳」などと年齢をあらわす際にも使います。要するに「年月」をあらわすときに使う言葉ですね。
普段目にするところでは、例えば年の瀬に「歳末セール」などの言葉でも使われるとおり、1年をあらわす言葉として用いられます。
- 3歳、30歳
- 歳末、歳月
- お歳暮
「才」の意味と用法
才の意味は、辞書では下記の通り定義されています。
生まれつきもっているすぐれた能力、資質。頭のはたらき。才能。才知。知能。また、そうした能力、資質のそなわった人。
出典:精選版 日本国語大辞典
要するに「人の能力」に関することをあらわす言葉ですね。それにプラスして、「歳」の略字としても用いられます。
- 才能、才覚、才知
- 天才、鬼才、秀才、非才
- 1才、3才(略字として)
まとめ
年月をあらわす言葉には「歳」を。人の能力をあらわす言葉には「才」を使いましょう。
才を年齢に使う際は、あくまで「小学生向けの歳の略字」として捉えておくことをおすすめします。
大人になっても「30才」と表記してしまっている人は、意外と多いと思います。ぜひこの機会に、普段の文章の書き方、言葉の使い方を見直してみてくださいね。