この記事では「体制」と「態勢」の違いについて解説します。
簡単にまとめると、システム化・ルール化して取り仕切っているような状況では「体制」を。未来に備えて準備している状態や、その心構えについて話すときには「態勢」を使うと良いでしょう。
なお、こういった言葉を「同音異義語」と言います。間違いやすい同音異義語は下記の記事にまとめてありますから、併せて参考にしてみて下さい。
「体制」と「態勢」の違いと使い分け方
「体制」と「態勢」には、下記の違いがあります。
- 体制:組織やシステムのあり方
- 態勢:身構え、心構え
たとえば「24時間体制で、いつでも駆けつけられる態勢の警備員が待機している」などと使います。
システムのことについて話すなら「体制」を。心構えについて話すなら「態勢」を使うと良いでしょう。
その他の「たいせい」の意味と使い分け
使い分けに迷うことはないと思いますが「たいせい」と読むほかの言葉の意味もまとめておきます。
- 耐性:環境の変化などに適応していく能力のこと
- 大勢:ものごとの大まかな成り行き
- 大成:長い時間をかけて成し遂げること
- 体勢:体のかまえ、姿勢
まったく別シーンで使う言葉ですが、一応知っておきましょう。
「体制」の意味と用法
「体制」の意味は、下記の通りです。
- 整った状態・秩序立った仕組み
- 各部分が統一的に組織されて一つの全体を形づくっている状態
(出典・参考:デジタル大辞泉)
具体的な用法は下記の通り。
- 監督が変わり、新体制になったことでチームの雰囲気が一新された
- 新人のサポート体制を整えておく
- 反体制派の抗議活動に参加する
共通認識を持った集団、または管理された集団やシステムなどをあらわすときの言葉です。
「態勢」の意味と用法
「態勢」の意味は、下記の通りです。
- あることがらに対する態度や状態。身構え
- ある物事や情勢に対してとる構え。
(出典・参考:Wiktionary)
具体的な用法は下記の通り。
- スターの来日に伴い、数万人の警察官が動員され厳戒態勢が敷かれた
- すぐにでも突入できる態勢を整えておく
- 飛行機が着陸態勢に入る時はベルト着用サインが点灯する
未来に備えて準備している状態や、その心構えに対して使うと良いでしょう。
まとめ
「体制」と「態勢」は「準備を整える」という共通のニュアンスを持ちます。しかし言及するのがシステムについてなのか、意識についてなのか、といった違いがあります。
ルールやシステム化された状態には「体制」を、未来に備えて準備している状態や、その心構えには「態勢」を使うと良いでしょう。
シーンごとに、より適した表現を使っていって下さい。