この記事では「追求」と「追及」と「追究」の違いについて解説します。
簡単にまとめると、知的欲求や原因を知りたいときには「追求」を。責めるニュアンスのときには「追及」を。研究や調査の意味合いで使うときには「追究」を使うと良いでしょう。
なお、こういった言葉を「同音異義語」と言います。間違いやすい同音異義語は下記の記事にまとめてありますから、併せて参考にしてみて下さい。
「追求」と「追及」と「追究」の違いと使い分け方
「追求」と「追及」と「追究」には、下記の違いがあります。
- 追求:ある物事を求めること
- 追及:ある物事について問い詰めること
- 追究:ある物事を調べ、解き明かそうとすること
「仕事」の話を例に挙げます。
成果を「ついきゅう」するなら「追求」を。納期に遅れた理由を取引先に「ついきゅう」するなら「追及」を。成果が出た要因を「ついきゅう」するなら「追究」を使います。
各言葉の持つ意味を理解した上で、適切に使い分けていきましょう。
「追求」の意味と用法
「追求」の意味は、下記の通りです。
- 目的を達するまでどこまでも追い求めること。
(出典・参考:デジタル大辞泉)
具体的な用法は下記の通り。
- 幸福の追求は生涯のテーマだ
- 体制を見直し利益を追求した結果、昨年の売上を大きく上回ることができた
「追い求める」という漢字の通り、深く考え実行するニュアンスで使う事が多いでしょう。
「追及」の意味と用法
「追及」の意味は、下記の通りです。
- どこまでも追いつめて、責任・欠点などを問いただすこと。
(出典・参考:デジタル大辞泉)
具体的な用法は下記の通り。
- 責任の所在を徹底的に追及する構え
- 嘘をついた理由を追及した
- 容疑者は刑事からの厳しい追及に耐えかねて、ついに容疑を認めた
責める・咎めるといったニュアンスを含む言葉です。
「追究」の意味と用法
「追究」の意味は、下記の通りです。
- 未知のものや不明の事柄を、どこまでも考え、調べて明らかにしようとすること。探究、研鑽
(出典・参考:デジタル大辞泉)
具体的な用法は下記の通り。
- 事故の原因を徹底的に追究する
- 宇宙の謎を追究する
「究」の字は、何かを調べるときに使う事が多い言葉です。よって「追究」は「追求」よりも、学問的なニュアンスが強い場面で使うと良いでしょう。
まとめ
「追求」と「追及」と「追究」は、どれも原因を調べる時に使う言葉ですが、何を「ついきゅう」したいのかによって使い方が変わります。
興味のあることを解き明かすときには「追求」を。
原因を咎める、責めるようなシーンでは「追及」を。
調査・研究する意味合いを含むときには「追究」を使うと良いでしょう。
シーンごとに、より適した表現を使っていって下さい。