今回はWebライターとブロガーの違いについて解説します。
それぞれWeb上で記事を書くことに違いはありませんが、しかしその中身はまったく違います。ライターの仕事をしていく上で、この違いは知っておきましょう。
Webライターとブロガーの違い10選
違いを見ていく前に、まずはWebライターとブロガーの定義をはっきりさせておきましょう。下記の通り定めました。
- Webライターの定義
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誰かから依頼されて、Web上に掲載する記事を書く職業のこと。収入源は、依頼元から受け取る原稿料。
- ブロガーの定義
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自分で運営するブログで収益をあげる職業のこと。収入源は、ブログに掲載した広告から発生する広告料がメイン。
これら二つの具体的な違いを、以下の通りご紹介していきます。
- 依頼元
- 納期
- 報酬が発生する確実性
- 収入の種類
- 業務にかかる費用
- 掲載内容への責任
- 執筆の自由度
- 必要な作業内容
- フィードバックの有無
- 世間からの見え方
1. 依頼元
- ライター:記事を作成したいメディアが依頼元になる
- ブロガー:商品やサービスを販売したい広告主が依頼元になる
便宜上「依頼元」と区切りましたが、同じ依頼元が「ライター」と「ブロガー」両方に依頼を出すことも少なくありません。
例えばこのサイト「文亭」がWebライターに仕事を依頼する場合は、文亭内に掲載する「文章の書き方」などの記事制作をお願いすることになります。
一方でブロガーに仕事を依頼するときは、出版した書籍の紹介記事をブログに書いてもらったり、文章教室の宣伝をしてもらったりする形が考えられます。
これは良し悪しというよりも「根本的な仕事属性の違い」と言えそうです。
2. 納期
- ライター:ある
- ブロガー:ないことが多い
Webライターの仕事には、明確な納期が定められます。単発の依頼であれば1週間程度〜のものが多く、まとまった発注なら「1ヶ月中に10記事」などの納期になることも。
一方でブロガーは、基本的に自分が好きなときに好きなだけ記事を書けば良い仕事です。たまに「いついつまでに掲載してくれたら特単付与」などの案件があったり、クライアントから「1週間後までに記事を書いてくれたら被リンクあげます」などの交渉があったりと、納期のある仕事が発生する場合もあります。
納期に縛られたくない場合は、ブロガーに軍配が上がります。
3. 報酬が発生する確実性
- ライター:確実性が高い
- ブロガー:確実性は低い
Webライターは、クライアントと契約して、契約通りに原稿を納品すれば報酬が発生する仕事です。こなせばほぼ確実に収入になりますから、確実性は高い仕事だと言えるでしょう。
一方でブロガーは、ほとんどの場合においてメインの収入源が「アフィリエイト広告」になります。掲載した広告から申し込みへ成約しなければ1円にもなりません。Googleアドセンスなどの「クリック型広告」の報酬もありますが、特に最初は微々たるものです。
確実に報酬が欲しい場合は、Webライターに軍配が上がります。
4. 収入の種類
- ライター:フロー型
- ブロガー:ストック型
Webライターの収入はフロー型と呼ばれる、いわゆる「労働収入」です。働いたら働いた分だけ報酬が入りますが、例えば月収100万円、200万円と大きくスケールするのは難しいかもしれません。
ブロガーの場合はストック型と呼ばれる、いわゆる「継続収入」です。実際に手を動かしていないときでも、成約さえすれば報酬が発生しますから、収入を大きくスケールさせるチャンスのある仕事と言えます。
成功すれば大きく儲かるブロガーか、確実性のあるWebライターか、一長一短と言えます。
5. 業務にかかる費用
- ライター:基本的に0円
- ブロガー:ドメインやサーバー代など
Webライターの場合、基本的に初期費用もランニングコストもかかりません。あくまで依頼を受けたり、雇われたりして働くわけですから、PCとネット環境さえあれば仕事ができます。
反対に言えば、最初に講習の費用が発生するようなライティングの仕事は怪しいと疑った方が良いかもしれません。
一方でブロガーは、はてなブログなどの無料ブログであれば完全に無料です。しかしまともに運営していこうと思えば、独自ドメイン代、サーバー代などで年間1万円〜5万円程度が掛かります。
とはいえライターも、ポートフォリオ用のブログを持っているに越したことはありませんから、どちらにせよ発生する費用と言えるかもしれません。
6. 掲載内容への責任
- ライター:権利とともにメディア側に譲渡する
- ブロガー:自分が負う
Webライターの書いた記事内容については、基本的に掲載しているメディアが責任を持つことになります。ある意味では、権利を譲渡する契約に守られているとも言えます。
一方でブロガーは、もしも訴えられるようなことを書いてしまったりすれば、責任はすべて自分が負う必要があります。
自由には責任が伴うということです。
7. 執筆の自由度
- ライター:メディアから指定が入る
- ブロガー:自由に書ける
Webライターの仕事では、一般的にメディア側から表記ルールや執筆ルールの指定が入ります。記事のテーマや構成も同様です。
一方でブロガーは、基本的に何をどう書こうが自由です。広告主から指定が入っているNG表現などは避ける必要がありますが、それ以外の企画もすべて自由。
自由と責任がトレードオフになっています。
8. 必要な作業内容
- ライター:主に調査〜執筆まで
- ブロガー:企画から執筆、デザイン、解析まですべて
Webライターの仕事は、一般的に「原稿作成」にかかわる部分のみです。取材に行ったり撮影をしたりはありますが、それらもすべて原稿を作成するためのもの。
一方でブロガーがやるべき作業は、記事を作るだけでなくサイト制作、コーディング、アクセス解析、SEO対策、広告主との折衝など多岐にわたります。
ライターの作業はシンプルな内容で済み、ブロガーの作業にはマルチな能力が求められます。
9. フィードバックの有無
- ライター:フィードバックされる
- ブロガー:誰からもフィードバックされない
Webライターは、かならず依頼主がいますから、提出した原稿に対してフィードバックを受けられます。修正指示が入ることもありますが、その分スキルアップの道筋を示してもらえる環境とも言えます。
一方でブロガーは自分で記事を書くだけですから、誰からもフィードバックを受ける機会がありません。コンサルなどに頼むしかフィードバックを受ける方法がありませんが、それが信用できるコンサルなのか判断するのは難しい……のが実情です。
誰かからアドバイスを受けながらスキルアップしたい場合は、ライター業の方が適しているかもしれません。
10. 世間からの見え方
- ライター:ちゃんとした仕事をしている
- ブロガー:なんだか怪しい
Webライターの仕事をして原稿を書いて暮らしているといえば、それは世間一般から「まともな仕事をしている人」だと見られます。
一方で「ブログで生活しています」と話すブロガーは、世間的に「なんだか怪しいな」と思われてしまう可能性があります。
社会的な評価や見え方を気にする場合は、何か本職がある上で「ブロガー」としても活動するような形が良いのかもしれません。
Webライターとブロガーのハイブリッド型がおすすめ
Webライターとブロガーは、Webで公開する記事を書くという意味では同じような仕事です。しかしその特性によって、仕事内容や収入などが大きく変わってきます。
自分の求める暮らし方や目的などによって、働き方を選んでみてください。